長崎県央のスミレ

著者/植田 成文さん

18-1ひっそりと咲く、楚々としたスミレに心惹かれて10年

「人間の内臓は、植物に例えられる」と考える漢方専門医の著者がスミレの花から見る科学観察

スミレの花は、たくさんの種類があるのですね。

はい、全国的にみたらまだまだたくさんありますよ。
ここには、長崎県央地区(諫早・大村・雲仙)地区に限られていますから、約70種類ぐらいを載せています。

植田さんは、実は医師でいらっしゃるのですが、スミレの観察を始められたキッカケは何ですか?

よく聞かれるのですが、実際のところ、自分でもよくわからないのですよ。
ただなんとなく、ただそれとなく…
強いてあげるなら、医学を志して早50年が経ち、臨床医学に心とられて、
「科学としての医学」についての考察を疎んじてきたようで、
「科学としての生物学」「科学としての医学」「科学としての医療哲学や医療倫理」も必要だろうという気持ちが出てきた時に、人間も生物の一員、先ずは生物としての植物の観察から始めてみようと考えていました。
タイミングよく、スミレが目に付いた様な気もします。

観察されている時には、不審者に間違えられたりされたそうですね。

はい、何回も。
小さな花ですから、どうしても撮影の際は、四つん這いになったり、腹這いになったりで、急病人に間違われたときもあります。
でも、わかっていただいたら、ジュースを差し入れてもらったりもしました。
これからも、観察は続けていきたいですね。

撮影に出かける際は、必ず奥様と愛犬一郎君も一緒だそうです。
これからも仲良く観察を続けてください。