島原藩の経済

著者/高木繁幸さん

島原藩の収支の全容が初めて解明される!

長年に亘り島原藩の歴史を研究。第一集の藩政機構編に続く第二弾。

島原藩を長年に亘り歴史研究される思いとは?

昭和20年、日本が敗戦となった前後の日本史の見方・考え方が大きく変化しました。その中、島原藩の江戸時代(封建制度)はどのようなものであったか、この目で確認できる史料に基づく島原藩の実態を探索してみようと考えました。特に島原地方でかつて起こった「島原の乱」「寛政4年の島原大変「からゆきさん等の多くの歴史事象の解明も地元にいる者にとっては、避けては通れぬ歴史事件で興味を引き、それを明らかにしてみたかったのです。

史料関係の収集には、大変ご苦労があると思いますが。

photo_0043_02そうですね、個人の史料購入や収集には限度があります。従って、島原藩関係の史料が保存されている箇所を探し、重要な史料は翻刻も行い、小論等も書いてきました。40~50年間に蓄えた史料をもとに、目次に添ってまとめてみると、第一集の藩政機構編、第二集の藩経済編となります。その中で特に、九大文化史施設に保存されてある「元山文庫」約3000点におよぶ島原藩史料の利用に際しましては特にお世話になりました。

第3集の予定は?

第3集として、「島原藩の文化」の刊行予定でしたが、この計画は、取り止めることにしました。その代わりとして、「島原近世史研究会」を創立することと、「原城・370年の会」(仮称)-NPO法人会を創設したいと考えています。内容は「島原の乱」で散った約3万人の方々の鎮魂碑の建立と、キリシタン遺品の展示会場として、総合資料館の建設の2事業について話し合っています。原城・日之江城とともに世界の遺産として、登録できたら、島原半島全体の活性化の一つの原動力に成り得るものと考えます。

ゆるりに本づくりを依頼されてみていかがでしたか?

諸事務等についても著者の立場に立って、親切であり、また、原稿校正も的確で安心して出版できたことを心より感謝しています。

一冊2,500円(税込み)で長崎の主要書店で販売されています。本が、これからの若い研究者の研究の糸口になればと思っていらっしゃいます。