著者/緒方源信さん
“汝(な)がさき”の心、伝えたい。
この程開催された第20回長崎県文学賞選考委員会で、長崎県文芸協会賞を受賞!
緒方さん、この“汝(な)がさき”という言葉。とっても興味ぶかいですね。
ええ、なかなか良い言葉だと思いませんか?“汝がさき(あなたが先)”長崎のおもてなしの心をあらわす言葉で、数年前、この「汝がさき」を登録商標に申請したんです。そして2003年の全国高総体で、県外の高校生に長崎の心をPRしたいという願いから、市内の多くの企業・団体にご支援頂いてこの「汝がさき」印の応援手拭いを地元高校生にプレゼントしました。その後、多くの方々のお励ましを頂いて、昨年4月にNPO法人「心のまほろば(すぐれたよいところ)」が発足しました。
緒方さんはそのNPO法人のなかでご活動なさっているんですね?
はい。主に心の育成、共存平和、街並み整備、観光による地域振興、地産地消などの活動に取り組んでいます。
日頃から子どもたちの“心”の教育が叫ばれるなか、緒方さんも長年“心”について関心をお持ちだったんですね。
そうですね。戦後60年、物は豊かになりましたが、子どもが世の中の鏡であるとすれば、世間の心そのものがいまとても危機的な状態です。そこで今年、古稀を迎える記念に、これまで“心”や“いのち”について書き留めていたものをまとめようと思いたちました。
ゆるりでの本づくりはいかがでしたか?
限られた予算でしたが、せっかくなら多くの人々に読んでもらいたいと願っていましたから、こちらの要望によく耳を傾けて下さり、希望が実現しました。関係先にも本を送付するなど、便宜を図って下さいました。
また、NBCラジオでのPRなど、広報に関して支援があるというのは著者にとってとても心強いですね。低予算で地元の書店に並ぶというのはとてもすばらしいことだと感じています。
満の3歳までは、人間らしさの基礎づくり…母親は子どもの調教師…興味深い見出しが並んでいます。読んだ方の反響は大きいでしょう。
ええ、贈呈した方から、心当たりがある。一気に読んで心が洗われる思いがした。自分のためにつくられた本だと思った。過去の経験がよく生かされている。読み易い。座右の銘にしたい。など、嬉しい感想をたくさん頂きました。
今後の緒方さんの活動をお聞かせください。
いま、出版しようとまとめているのは、「持続する共存平和」というテーマ。長崎は、心の育成や平和について考えるための環境は整っていますから、今後も「心のまほろば」の活動を通して、皆様に“汝がさき”の心を発信していけたらと考えています。
日々の忙しさにわすれがちな気持ち、“汝がさき”。ちょっとした心の持ち方で、毎日が豊かになることを教えてくださっています。決して難しい言葉ではなく、普段づかいの言葉で心をやさしく解き明かしてしてくれる一冊です。