著者/西岡洋子さん
空にかける梯子(はしご)で亡き夫のもとへ
中学生の時に出逢った「現代短歌正選」で短歌に興味を持ち、古希を迎え、人生の整理をする一助としてまとめた作品
この度の出版される、きっかけは何ですか?
夫を亡くして30年になり、書き溜めた歌を読み返してみると、私の人生そのものでした。古希を迎えた時、人生の整理をする一助として作品をまとめようと思ったのがきっかけでしょうか。
短歌を始められて、どのくらいですか?
そうですね、短歌に興味を持ち始めたのは、昭和22年中学2年生の夏に当時師範学校(現・長崎大学教育学部)の学生であった兄の「現代短歌正選」と言う教本を読んでからです。本の中には、佐々木信綱・尾上紫舟・前田夕暮・石川啄木など25人の歌人の作品がありました。私は啄木に夢中になり、その本は、結婚する時も花嫁道具の中に忍ばせて持っていきました。今でも宝物なんですよ。それを考えると、長いですね。
西岡さんは、どんなところで活動されているのですか?
平成6年にあすなろ社に入社して、水甕社・日本歌人クラブなどに所属しております。今回この本を出版する際にはあすなろ社の方々に、大変お世話になりました。
表紙の絵は、どうされたのですか?
私の妹に描いてもらいました。歌集のなかに「上りゆく朝顔のつるゆらゆらと空への梯子さがしておりぬ」というのがあります。歌集のタイトルが「空への梯子」そして表紙画は「朝顔」と決めたとき、画家である妹に是非描いてもらいたいと思ったのです。
完成した本を手にされた感想は?
感激しました…。次にこんな作品で読んでくれる人がいるだろうかといった不安材料が次から次へと湧いてきました…。まずは亡き夫へ報告…それから前向きに頑張ってくれた二人の娘に感謝を込めて贈ります。
それに、4人の孫達にも読んでもらいたいですね。そのためにルビをつけました。
早くにご主人を亡くされ、苦労して二人の娘さんを育ててこられた西岡さんの人生そのものといえる作品になっています。お孫さんと囲碁もされる一面もお話していただきました。