万里の風

著者/中川美苗さん

第二のふるさと大連・新京。

15歳まで中国で育ち戦中・原爆・戦後と激動の中を生きて喜寿記念に出版された歌集

今回第20回長崎県文芸協会賞を受賞され、おめでとうございます。これまでにも数々の賞を受賞されていますね。

ありがとうございます。今までには、長崎総合短歌大会で日本歌人クラブ賞、原爆忌文芸大会で長崎県知事賞、鎮西大社諏訪神社献詠祭三年連続入選です。個人で出版したのは、今回初めてでしたので、嬉しうございます。

photo_0011_02この本は、昨年3月に出版されましたが、きっかけは?

昭和十八年に満鉄長崎支社に父が転勤となるまで私は大連と新京で十五歳まで育ちました。本籍は大分ですが中国は第二のふるさとです。長崎では学徒動員、原爆、終戦と激動の中を生きてまいりました。戦中、戦後を生きて来た証としてまた喜寿の記念にもと出版いたしました。

短歌は、いつ頃から始められたのですか?

母もよく歌を詠んで居りましたが終戦後、大分に帰り金子薫園先生と親しかった伯母の歌会に入会したのがきっかけです。昔は古語でしたから、今の現代短歌に馴れるまで大変でした。そのままを詠んでいますので、出版に当りまして、少し迷いました。

万里の長城

万里の長城

現在の活動は?

今は、あすなろ同人・水甕準同人・日本歌人クラブ会員・純林に所属しております。県文芸、NHK、其の他出したりして居ります。

中川さんにとって短歌とは?

喜びや悲しみ、感動した時、四季折々あるがままに歌を詠んでいますから、私の人生そのものです。

最後に今後の出版予定は?

出来れば、歌や詩や、エッセー等をまじえて自分史を書いて見たいと思って居ります。傘寿も近くなりましたので戦前、戦中、戦後をまとめたいと思います。

 「万里の風」を出版した年の秋に、北京に行かれ、「万里の風」の本を持って、万里の長城にお里帰りして来られたそうです。写真は、その時撮影され、秋雨が降っていたそうです。(中国の雨合羽を着用されてますね。)
 是非、次回は傘寿記念の出版に向けて、頑張ってください。