エーリヒ・バイロイター 著
山城順さん 訳
福祉を学ぶには欠かせないディアコニー!
日本の介護制度のサンプルになったドイツのキリスト教社会福祉の歴史。
「ディアコニー」という言葉が聞き慣れませんが、どういう意味ですか?
ドイツで最も大きな歴史ある福祉事業団の名前です。キリスト教にはカトリックとプロテスタントという二つの流れがあり、そのプロテスタントのキリスト教会が行ってきた社会福祉事業団です。
どのような内容になっていますか?
主にキリスト教社会福祉の古代から現代にいたる歴史です。
興味深いところは、どんなところでしょうか?
いくつかありますが、ナチスを率いたヒトラーが障害者を「安楽死作戦」によって30万人も殺害した時、キリスト教も社会福祉事業に携わる人達も無力でした。その中で、「ベーテル」という施設の施設長ボーデルシュヴィンク牧師は、ヒトラーに抵抗し、患者をまもった施設として、戦後有名になりました。このような抵抗運動は大変興味深いところです。
この本を出版されようと思ったきっかけは何ですか?
長崎ウエスレヤン大学が2002年に、福祉コミュニティ学科としてスタートしましたが、私は福祉に関しては素人だったので、勉強しようと思いました。
ドイツ語の翻訳ですが、ご苦労された点は?
ドイツ人でないとわからないところがあって苦戦しました。今、ドイツのハイデルベルグから鎮西学院高等学校に留学しているヨハネス・オルポルト君に助けてもらいました。感謝しています。
ヨハネス・オルポルト君は、日本に来てから7ヶ月間で、その間に日本語を覚えたそうですが、とても堪能で驚きました。山城先生との信頼関係も垣間見えるインタビューでした。